2018.01.01

 てしかがの蔵は、1階に種市蔵書室・永田蔵書室・視聴覚室・てしかがの写真館などがあり、2階は資料展示室で、総展示数としては約7,000点になります。1階のてしかがの写真館では壁面に写真展示を行っていますが、写真は明治時代から現在までのおよそ300点を展示しています。

 明治の代表的なものとしては、開拓当時の移民住み家の建設作業の様子。大正になると、釧路川に川船を浮かべお客さんが乗船している風景や、硫黄山の硫黄鉱山採掘作業などの記録があり、開拓当時の生活や産業の姿が見られます。昭和になると弟子温泉観光祭りのパレードが行われ、1934(昭和9)年には阿寒国公園に指定され、観光産業が盛んになり、人の動きが活発になったことが分かります。摩周湖第1展望台まで馬で行き、馬と摩周湖が一緒に写っているものや、阿寒横断道路の難工事の記録があり、今では想像もできないような道路でした。弟子屈原野にあった釧路拓殖実習場や、車で生乳集荷を行なっているところ、サイロや発動機のある農作業の様子も見ることができます。

 弟子屈の歴史を写真で見返すと、その時代の経済の変化を見ることができます。弟子屈の基幹産業である農業・林業・観光など過去に学ぶことが多いと思います。1965(昭和40)年ころの弟子屈上空から見た写真からは、今とは異なる町の風景が見て取れ、変遷が分かります。それぞれの産業は時代に対応した姿に変わりますが、町を俯瞰して見ると全体像が見えてきます。そのことが弟子屈の未来像を示しているように思います。

てしかが郷土研究会(藤江)