2018.01.01

 弟子屈の全面積77,265haのうち、51,531ha(約66%)が森林です。森林のうち、 41,441ha(約80%)が国有林になっています。ちなみに、弟子屈の面積のうち 50,714ha(約65%)が阿寒国立公園に指定されています。屈斜路湖と摩周湖を除いた森林のほとんどが、阿寒国立公園です。インターネットなどの航空写真を見ると弟子屈の森の深さがよく分かります。明治の時代から、弟子屈のこの豊富な森林資源は、木材や製紙などに利用されてきました。

 木材として利用するには、木を伐採しなければなりません。

 まず、木を倒す方向にサッテ(写真①)で切り込みを入れ、反対側から山鋸(写真 ②)で切り倒します。倒した木は、薪出しがしやすいように玉切りし、刃広(写真③)と言う刃の幅が広い斧で枝を払います。枝を払った木をある程度の角材にするため、前挽鋸(写真④)を使います。この鋸は幅が広く、一定の方向に直線で切り込んでいくことができます(写真⑤)。大人が2〜3人で手をつないでも届かない大径木は、二人が向かい合って木材を挟み、押し挽き鋸を使います。

 伐採は、藪出しがしやすい冬に多く行われ、切り倒された木材は山土場に集められます。

※1薪出し:切り倒した木材を運び出すこと。

※2 玉切り:木材を用途に合わせた長さに切断すること。

※3 山土場:薪出しをした木材を造材現場近くに一時貯蔵する場所。

てしかが郷土研究会(松橋)