2018.01.01

 『「はっ」と思った瞬間、天地も裂けんばかり、どどどどと物凄い音を立てながら、ランプは左右に揺れ動き、見る見るうちに棚が落ち、戸棚は倒れ、もはや自分の命は天に任すかとばかり…』(屈斜路八十年誌より)

 これは今から70年以上も前、屈斜路湖を震源とする地震の体験者の記録です。屈斜路地震は1938(昭和13)年5月29日午前1時42分に発生。湖底で起こった噴火は、本町としては異例なほど強烈な地震でした。この地震により断層、亀裂、陥没などの地形変動を起こし、道路や家屋などに相当な被害を及ぼし、痛ましくも1人の犠牲者を出しています。

 この屈斜路地震の断層は、地震で地表に断層が現れた道内唯一のものとされ、大学や研究機関によって近年、掘削調査が行われました。現れた断層 (写真)からは、片方の地盤が大きくずれている様子を、はっきり見ることができます。あれから74年、風化させてはならない防災意識として、心に留めておきたいものです。

てしかが郷土研究会(蜂谷)