弟子屈町では6月~10月の期間、早朝に雲海を見ることができます。
摩周・屈斜路エリアには、カルデラの底にたまった霧を上から見下ろすことができる展望台がいくつもあり、様々な角度から雲海を楽しめます。

摩周湖第1·第3展望台
摩周湖は年間を通して比較的水温が低く、夏の暖かい気温や日差しによって湖面の空気が温められると上昇気流が発生しやすくなります。そのため、辺り一面が霧に覆われて「霧の摩周湖」となります。摩周湖上に「雲海」として霧がたまることは希少な現象です。
第3展望台では、季節と条件が合えば屈斜路カルデラとダブル雲海を見ることができます。
さらに運がよければ、摩周湖に流れ込む幻の滝霧が見られるかもしれません。
(弟子屈なび摩周湖)
![]() 津別峠展望台947メートルの展望台から見る雲海は圧巻! |
![]() 美幌峠展望台広大な雲海を見るならここ! |
![]() 藻琴峠展望台少し寝坊しても見られる雲海! 小清水町ハイランド小清水725 |
●車での所要時間(夏道)

準備は万全に
春や秋など季節の変わり目だけではなく、早朝は思った以上に寒くなります。出来る限り暖かい格好をご用意ください。暑ければ、服を脱ぐことができますが、強風などで現地に居られなくなることもあります。脱ぎ着して、調整できるような重ね着がオススメです。
●雲海ができるまで
東北海道の中央に位置する弟子屈町から南に釧路という街があります。釧路沖の太平洋には寒流親潮が流れており、夏場には温かい気温と冷たい海によって太平洋の上空で霧が発生します。その霧が南風に乗って北へと流れていきますが、太平洋側は低い土地が広がっており一番始めにぶつかる山が摩周や屈斜路を取り囲んでいるカルデラの外輪山になります。特に夏の昼間、摩周湖は霧に包まれることが多いため、霧の摩周湖はそのまま摩周湖の代名詞となっていきました。ではその霧はどうなっていくのでしょうか。
阿寒摩周国立公園は、摩周カルデラ・屈斜路カルデラ・阿寒カルデラの3か所を包括するように指定されています。もともと火山地帯だった場所が噴火活動を繰り返すことで大地が窪み大きな鍋の形をした外輪山が形成されてできた大地がカルデラです。3つのカルデラの中でも屈斜路カルデラは長径約26キロ、短径約20キロと日本最大の大きさを誇り、この大地が雲海を見ることのできる重要な要素となります。風が弱ければ、カルデラ内部では太陽が沈むと山の空気は放射冷却によって冷やされていきます。冷やされた空気は温かい空気よりも重く外輪山の斜面に沿って下降していきます。そのため、早朝に向かうにつれて、摩周湖を覆っている霧も下降する空気と共にカルデラの底へと沈んでいき、大きなカルデラという鍋の底に霧が立ち込めていきます。季節によって変化しますが、その他にも夜間の放射冷却により平地の空気が冷やされ、放射霧が発生してカルデラ内部に留まる場合など、様々な条件によって霧が発生します。