2018.01.01

 屈斜路湖の湖面を進む、得体の知れない10メートルほどのもので大騒ぎになったのは1973(昭和48)年8月。見たのは旅行中の北見市の中学生40人。

しかし、周辺に住む人は驚く様子がない。以前から目撃した人が多く「言ってもまともに受け入れられなかった」というのが大半であった。

同年9月、北海道放送が調査に乗り出した。10メートル以上の物体を確認したものの、透明度が低いこともあって、確固たる証拠を得るに至らなかった。

 私は当時、何人かを取材した。いずれも生々しい目撃談を語ってくれ、中には写真を提供してくれた人もあった。しかし、残念ながら望遠レンズで撮影したものではなかったため、その写真からは何かを特定することはできなかった。

 屈斜路湖のロマンをかきたてる風聞説 (ふうぶんせつ・うわさ)に傾いていた私は、見たという人々の真剣な目や語り口から、次第にこれは「何かがいる」と思うようになった。

そして、間違いないと確信することになったのは、当時、消防職員だった菅江氏の家族が目撃してからであった。

 もしかしたら、伝説ではなく事実かもしれない。

 やがて白日の下にさらされる日がくるのか、とても興味深い。

てしかが郷土研究会(菊池)