2018.01.01

 今年の冬は例年になく暴風雪に見舞われ、皆さんもお疲れのことと思います。4月に入り、やっと日ごとに暖かさが感じられるようになり、春の訪れが待ち遠しいこのごろです。

 忘れてはならない3.11東日本大震災から、丸4年を迎えました。復興の歩みはまだまだですが、被災された人々にも少しずつ明るい兆しが見えてきたころでもあります。そのような中で、日本人の心の中の希望のともしびとして、春の季節を迎えるにふさわしい木といえば、やはり桜でしょうか。

 弟子屈の地では桜の季節までまだ時間がありますが、5月の中旬には今年の風雪に耐えてエゾヤマザクラが花を咲かせるでしょう。本州の桜と違い花と葉が同時に開くので、近くから見ると派手さはないのですが、山に孤高に立つ姿とかれんな花が心に響き、ささやかな感じが好きです。

 今回ご紹介したいのは和琴半島の先端近く、カヌーなどの乗り物でしか行けない場所にたたずむエゾヤマサクラです。

 写真は一昨年春の和琴半島のエゾヤマザクラです。皆さんも記憶があると思いますが、一昨年は5月の連休も嵐になるなど大変寒い日が続き、本当に桜が咲くのか心配になるほどでした。まだ咲いているかなと思い、6 月1日にカヌーで桜を見に行ったところ、いつもの場所で、姉妹のように仲良く2本でたたずむエゾヤマサクラが、風雪に耐えながら 満開の桜を咲かせていました。

冬の季節に耐えた半年、緑のない季節を過ごした北国の人の心にも、希望や出発の意味を越えた思いのある桜です。

 天候によっては行くことができない場合もありますが、知人にカヌー愛好者の方がいる場合は、ぜひカヌーでお花見しようと誘ってください。日本人でよかったと思える時間を過ごせます。

 また、皆さんも3.11の大震災を忘れず、桜の花を愛でながら祈っていただければ幸いです。

てしかが郷土研究会(平塚)