歴史写真館NO.112 大地の風景 郷土の自然8 ~阿寒国立公園指定80周年~

 5月の牧草が色づくころから2番牧草を刈るまでの季節は、大空の下で放牧された牛たちがおいしそうに草を食んでいたが、11月になると樹木も葉を落とし、朝の冷え込みで霜が降り、土の水分が冷気の影響で呼吸する。

 土はその成り立ちにより、火山礫を含む場所や湧水の多い場所の周辺部では泥炭土と、さまざまである。その中で土壌改良を行い収穫に適した土を作り上げていくことは、多くの時間を要する。釧路川の周辺部で国営総合農地防災事業が行われているが、環境アセスメント結果を基に周辺環境に配慮した工法で作業が行われている。弟子屈の固有種であるカワユエンレイソウは株移植という方法で、それぞれ株ごと掘り返し移植している。排水路は河床を護岸化した上に土砂を堆積させて、水中植物のバイカモが生育できるように工夫されている。現状の自然環境を保ちつつ草地の生産基盤の回復をして、生乳の安定供給を目指している。

 秋まき小麦が少し芽を出しているが、今年の夏から大型の小麦・ソバ収穫用のコンバインが往来していた。見た目も特大級で、映画の世界に出てくるような迫力がある。何でもその仕事量は、1.2ヘクタール当たりを1時間ほどで収穫してしまうとか。ハーベスターでジャガイモを収穫しながら畑をゆっくりと進む風景や、プラウで土を起こす作業など、秋は土の香りがする。

 土との対話の中から生まれる大地は、さまざまな恵みをもたらしてくれる。風薫る緑の草地や収穫の秋が終わり、しばらくこの風景は冬眠する。

てしかが郷土研究会(藤江)

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