2018.01.01

 湖から海へ。3町1市110数キロを巡り、生き物たちの命を育む釧路川。

 その源に架かる眺湖橋。1923(大正12)年に初代が架けられ、現在六代目。1927 (昭和2)年には自動車が通行できる橋となり、屈斜路観光の幕開けとなりました。

 観光バスは眺湖橋の上で一旦停車。屈斜路湖と釧路川の成り立ちに始まり、川湯温泉までの美観が案内されます。湖の氷が解け、春が告げられると、観光シーズンの到来。湖から川に注ぐ水音と、湖を囲む木々の芽吹きの美しさが体感できます。

 「万緑のひと木ひと木の緑かな」俳優で俳人の小沢昭一さんが綴った句集の中の1句です。春から夏へ、万緑に囲まれた屈斜路湖と釧路川入り口の景観は絶景!絶景!

 昭和初期から80数年、人や車が行き交う重要な眺湖橋。近年は橋の上の通行だけでなく、橋の下を通る観光が急激に増えました。アイヌの人たちは、川から

海への注ぎ口を川口(川の出口)とは呼ばず、大切な食料である神の魚(カムイチェプ)が上がってくる入り口と位置付け、湖や川を敬い、遠慮しながら、謙虚な心で接してきました。

 眺湖橋は魚たちが行き交う関所です。しかし、私たちがカヌーなどで通るには水面と橋桁の間が低く、頭をかがめる必要があります。ここは先人の教えを素直に実践。頭上注意で頭をかがめるのではなく、安全を祈り、湖や川を汚さない誓いとともに、感謝の心を込めて礼を尽くすことが大切です。旅人たちも一緒の日常行動になるといいですね。

 もちろん眺湖橋への感謝も忘れずに!

てしかが郷土研究会(充洋)