2018.01.01

 太洋戦争後、弟子屈町の観光産業が復活する引き金になったものの1つに、登山やスキー、キャンプなどの野外活動がありました。

川場ヌプリスキー場のコース選定には、釧路スキー連盟が調査を始めます。しかし、設置する場所が国立公園の敷地内で、この辺りはアカエゾマツの森となっていたことから、実現するまでには地元観光協会による厚生省 (当時)との粘り強い交渉がありました。

 『弟子屈町史−昭和56(1981)年刊』によると「昭和二十五年十二月開設で、 川場温泉から五〇〇メートルの地点に位置し、スロープ全長四〇〇メートルは最大斜度三十二度、平均斜度十五度…昭和三十七年に三〇〇メートルのリフト一基が整備され(後略)」と書かれています。完成当時の写真では、まだ切り株があちらこちらに点在していますが、スキー大会が開催されるなど 釧路管内のスキー愛好者のメッカになっていました。

 現在では、このスキー場のリフトやロッジなどの施設は撤去され、静かに元の自然に戻りつつあります。

てしかが郷土研究会(松橋)