2018.01.01

 冬の夜、暖かい布団に入り込むとき、何とも幸せな気持ちになります。その布団を温める道具の中で、今でも湯たんぽが活躍します。

 太洋戦争も末期のころ、日本は国民の生活に欠かせない石油はおろか、食料も確保が難しくなりました。兵器を作るための資源の確保もできなくなり、日本軍は家庭や地域にある金属と思われる物、鍋、やかんから、火の見櫓(やぐら)の半鐘(はんしょう)のはてまで拠出を命令します。

 この時期、金属製に代わるいろいろな生活用品が作られます。陶製の湯たんぽもその一つです。

 陶製の湯たんぽが手に入らない人々は、手ごろな大きさで、熱しても割れてはじけない石を河原から探して、ストーブなどの余熱で温め、布に包んで利用しました。

温まった布団の中で、凍(しば)れる家の外と同じく、わずかな幸せも奪い取る時代が早く終わり、平和な春が来るのを願ったことでしょう。

てしかが郷土研究会(松橋)