2018.01.01

 冬の冷たい水での炊事や洗顔はつらいものです。

 家の暖房が、まきや石炭のストーブが主だったころの昭和30年代、どこの家に行ってもストーブの後ろにこの湯沸かし器がありました。

 一日中燃えているストーブの煙突が中を通り、排熱を利用して水を温めてくれました。温められたお湯をひしゃくでタライや洗面器にくみ、台所へ持って行き使います。少なくなった水は、大きな水がめ(水道がまだ各家庭に行き渡っていないころ、井戸や共同水栓から水を選び、大きな水がめにためていました。子どもたちの家の仕事の一つでした)から運び補給するのですが、これでもヤカンで沸かすよりも手間がかからず、たくさんのお湯が使えることに、何かぜいたくな気持ちになったものです。

 昭和40年代に入って、暖房の主流が石油に替わり、プロパンガスの瞬間湯沸かし器も普及すると、いつしか姿を見なくなりました。

てしかが郷土研究会(松橋)